東宝 特撮 toho tokusatu


〇20220731  東宝特撮 怪獣

これまでDVDどまりだった特撮。怪獣もののブルーレイが発売された。

 大怪獣バラン  妖星ゴラス 宇宙大怪獣ドゴラ 決戦!南海の大怪獣
 ブルーレイ2枚組 4作品

 ブルーレイにあたり、再リマスターが行われ、画質はかなり向上している。
 DVDではどうしてもぼけぼけ感が強調されてしまうものだったが、最近のブルーレイ発売の東宝作品は、ひと昔前のブルーレイ作品に比べると、画質が向上している。
 


〇20210619

 特撮は東宝のみではなかった。
 
 米アロー社は、昔の映画のリマスターBDを鋭意発売している。

 先日は、透明人間現る!をリリース。
 なんと、2本立て。透明人間対ハエ男。

 調べてみた。

 透明人間現る
 大映  1949年
 撮影 円谷英二

 原作は、HGウエルズの透明人間。

 これが、日本の戦後初SF映画ではなかろうか!?

 
 アロー社 2021年3月初売。
 これが、かなり鮮明。
 白黒映画であるが、1949年の映画がリマスターで蘇っている。

 大人向けのサスペンスクライム映画+科学(SF)に仕上がっている。

 透明人間対ハエ男   1957年8月 大映
 これも面白い。
 透明人間の活躍は控えめ。中心はハエ男。これは旧日本軍が開発した化学兵器。人間を小型化して連合軍をやっつける物だったが、終戦でそれを持ち帰った旧軍人が、当時の上層部に復讐しようとしたのが物語の動機。なんとアントマンの先駆けであった。


 その後円谷は、東宝に復帰。1954年ゴジラを撮るのだが、同じ1954年の12月には、透明人間をリメイクしている。
 
 こちらは、映像作品としては未見(のはず)
 


 東宝は、ゴジラ、バランなど怪獣映画だけを作っていたわけではありませんでした。

 主に、戦争の兵器をミニチュア、実物大模型で再現し、はめ込む特撮映画です。
 戦争物だけでは、時代に合わなくなり、SFを取り入れた作品も多く作るようになりました。

 その初期映画を考察してまいります。

 年表
 
 1950年  朝鮮戦争6月―1953年7月
       シンデレラ

 1951年  地球の静止する日  ロバートワイズ             
       地球最后の日     ジョージパル
       遊星よりの物体X   ロバートワイズ

       サンフランシスコ講和条約

 1952年  日米安保条約
       保安隊

 1953年  フランス ベトナム戦争 ディビエンフー戦 フランス軍敗退
       
       宇宙戦争  ジョージパル
       ピーターパン
       戦艦大和    新東宝

 1954年  ゴジラ   
       潜水艦ロ号いまだ浮上せず  新東宝
       透明人間

       宇宙征服   

       自衛隊創設

 1955年  宇宙水爆戦      ジョセフニューマン

 1956年  ラドン          カラー 
       十戒 
       禁断の惑星  フレッドMウイルコックス
       ボディ・スナッチャー 
       人間魚雷回天 新東宝
       金星人地球を征服   ロジャーコーマン  金星ガニ登場

 1957年  地球防衛軍
       眼下の敵
       戦場にかける橋
       明治天皇と日露戦争    新東宝
 
 1958年  美女と液体人間    1958年6月24日公開
       大怪獣バラン
       ザブロブ  スティーブマッキーン

       東京タワー 10月竣工

 1959年  宇宙大戦争  
       タイムマシン
       ベンハー
       四谷怪談
       地底探検 米 カラー ヘンリービレン
       渚にて   スタンリークレイマー

 1960年  伝送人間        1960年4月10日公開
       ガス人間第一号 (第は略字)  1960年12月11日公開

       ザ・タイムマシン  

宇宙開発  米 1959-1963 マーキュリー計画   1965-1966 ジェミニ計画    1961-1972 アポロ計画
       ソ 1961   ボストーク  ガガーリン 

 1961年  モスラ
       世界大戦争     フランキー堺

 1962年  ゴジラ対キングコング
       妖星ゴラス
       トリフィドの日
       史上最大の作戦
       007ドクターノー
       アラビアのロレンス
       シンドバッドの冒険

 1963年  マタンゴ
       海底軍艦

 1964年  ゴジラ対モスラ4月
       宇宙大怪獣ドゴラ 8月
       三大怪獣地球最大の決戦12月  
       英国ITC  サンダーバード TV版 1964年~1966年
       メリーポピンズ
       忍者部隊月光 TV

 1965年  怪獣大戦争
       フランケンシュタイン対地底怪獣

       大怪獣ガメラ  白黒

       ガリバーと宇宙旅行 アニメ
       宇宙少年ソラン  TV
       スーパージェッター TV
       007 ゴールドフィンガー
       マイフェアレディ
       サウンドオブミュージック
       わんわん物語     アニメ

 1966年  フランケンシュタインの怪物サンダ対ガイラ
       ゴジラエビラモスラ南海の大決闘 
       ガメラ対バルゴン    大映
       大魔神          大映
       大魔神怒る
       大魔神の逆襲
       黄金バット 12月    東映    白黒
       怪竜大決戦       東映

       ミクロの決死圏   英
       恐竜100万年 英 日本公開1967年 特撮ハリーハウゼン
       砲艦サンパブロ 米

       ウルトラQ TV 1966年1月2日から7月3日まで TBS 毎週日曜 1900-1930 
       ウルトラマン TV 1966年7月17日から1967年4月まで 全39回
       マグマ大使  TVは1966年7月4日から1967年9月25日 全64話 52回+再放送12回 (漫画 1965年5月から1967年8月)

 1967年  キングコングの逆襲
       怪獣島の決戦 ゴジラの息子
       ガメラ対ギャオス     大映
       宇宙大怪獣ギララ    松竹
       大巨獣ガッパ       日活
       007は二度死ぬ     浜美枝登場
       特攻大作戦
       バーバレラ
       サンダーバード劇場版  7月15日  
 
       キャプテンウルトラ TV
       仮面の忍者赤影 TV 1967年4月5日~1968年3月27日全52話 水曜1900-1930
       
       ウルトラセブン  TV  1967年10月1日~1968年9月8日 TBS 日曜1900-1930  全49話
       怪獣王子     TV  1967年10月2日~1968年3月25日 フジ 月曜1900-1930 全26話 

 1968年  ガメラ対バイラス     大映
       吸血鬼ゴケミドロ 8月  松竹
       昆虫大戦争    11月  松竹
       ガンマー第三号宇宙大作戦  12月   東映 
       キングコングエスケープ  キングコングの逆襲US版
       2001年宇宙の旅
       猿の惑星
       サンダーバード6号     

       怪奇大作戦 TV 1968年9月15日~1969年3月9日 日曜1900-1930  全26話

 1969年  緯度ゼロ大作戦  
       ゴジラ・ガバラ・ミニラ オール怪獣大進撃
       ガメラ対ギロン    大映
       女王陛下の007
       荒鷲の要塞
       空軍大戦略
       日本海大海戦     監督 丸山誠治    坂野義光 実景撮影などで円谷組の補佐を務めた。
       飛び出す冒険映画 赤影 夏休み 東映まんが祭り 金目教篇 赤、青のセロハン立体メガネで飛び出す赤影
       恐竜グワンジ
  
       空飛ぶ幽霊船   東映
       長靴をはいた猫  東映

       サインはV  TV

 こうしてみると、映画と戦争、世情の密接な関係があるのがわかります。
 戦争は、朝鮮戦争、中東戦争、ベトナム戦争。
 そして、米ソの冷戦という恐怖で世界中を苦しめました。

 宇宙開発も映画、アニメ、小説などに影響を与え、その逆もありました。
 科学技術の進歩と、SF作品の相互作用も同様です。
 面白いことに、SF小説や映画に描かれた事柄の多くが、何十年か後に実現していることがあります。

 これだからSFはやめられません。
 SFは人類の進歩に欠かせないものだ。とスターゲイトSG1の製作家は言っています。

 1970年代は、戦争と公害の時代が始まります。
 そのようなくらい事柄があると、反動でSF作品が多く作られることになります。