福島市社会福祉協議会の活動の一環で、地域の「ふれあいサロン」と言う行事がある。
今年度と来年度は我が家がその担当のボランティアに選出されていた。
ふれあいサロンは要は老人達の会合であり地区の老人の集まりである。
75歳以上が会員となっていて田舎に住む人たちの健康管理やイベントを行うと言う趣旨なのだが、主幹は地元の民生員であり市が管理している。
やっている事は知っていたが参加した事はなく、covid19騒ぎになり人を集めてのイベントは控えられていた。
その為繋がりを確保する意味で我々の該当地区では暫く会合の代わりに弁当配食を行っていた。安い金額で昼食時期に弁当を配達し地域の住民との繋がりを確保する目的。
covid19も落ち着いてきたと言う事もあり何らかのイベントを行うように市から通達が来たそうだ。
なるほどごもっともである。
ならばと自分が名乗りを上げた。レコードコンサート的なものなら自分がやりますよ、と言う訳。
地元の人になんらかの情報や楽しみを提供できるならそれはそれで良い事だし、開催側もボランティアで観客も無料となれば著作権料も不要。
さらには暫くイベントごとから遠ざかっていたので自分自身じつに楽しみにしていた。
当日どれだけの人が来るのか不安であった。
結果25人ほどの人が集まってくれた。
担当地区住民全員で70人強だから住民の1/3程度が来てくれた事になる。
45畳程度の集会所の和室での開催した。
中々の入りである。
まずはほっとした。
当日は13:30から開催だが準備があるため10:00から会場入りしてセッティングとチューニングを行った。
使用機材は全て自分の事務所からの持ち込みだった。
一人では運べない為大型の機材も新しい物もない。
一通りセッティングして音出しするとややライブである。
和室にしては反響が大きい。
そこでスピーカーをやや内ぶりにして音を集めて対応する。
おそらく人が入るとかなり変わると踏んでセッティング。
選曲は全て一任されているので昔の曲から最近の物まで邦楽中心で選曲した。
いよいよ開催。
もちろん顔見知りの人ばかりである。
実際地元に住んでいても自分が何している人かは知らない人が多数でありそもそもオーディオには興味が無い。
それは初めから分かっていたのでかえって気が楽であった。
1音目から歓声が上がった。
初めは音楽ではなくSLの走行音。
機材のイメージを掴んで貰うために流したのだが観客の郷愁を誘ったのだろうか?
懐かしい!と声が上がっていた。
驚いたのは曲が終わるたびに拍手が上がることだった。
今までこんな事は無かった。
単純に喜んでくれて嬉しく思った。
あっという間にに90分が過ぎて終了となった。
口々に「良かったよ!音が素晴らしい!」と言われた。
これも言われた事があまり無い。
確かに出来る限り良い音を出そうと努力はしたが、皆さんの何よりのねぎらいの言葉で報われた。
また「もっと大型のスピーカーでやると思っていた」とも言われた。
「コンパクト2ウェイでのリスニングとは思わなかったが、こんな小さいスピーカーからこんな音が出るとは思わなかった」とも。
何だか新鮮な感じがした。
常々複雑かつ大型なシステムに慣れているためシンプルなシステムもそれはそれでいい、とつくづく感じる。
なんせボランティアっていうのがいい。金が絡まないのはギスギスしない。
音楽ってそもそもそう言う物だ。
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