Nakamichi History
1973年 ナカミチ1000 TRI TRACER
USAで発表。 中道悦郎氏が、デッキを背中にしょってアメリカを行脚したと言われる。
ナカミチリサーチ(中道研究所)
1000は、当時売価1000ドルでどうだ。きりのいい数字だ。といってつけた数字と言われています。
以降ナカミチのステータスNO.として扱われるようになりました。
世界初のディスクリート3ヘッド。フェライトクリスタル/パーマロイ
国内販売価格 278000円
700 ディスクリート3ヘッド フェライトクリスタル/パーマロイ 185000円
1974年 ナカミチ500 DUAL TRACER パーマロイ 国内価格 82500円
1975年 ナカミチ600 110000円 2ヘッド パーマロイ
550 110000円 2ヘッド パーマロイ 生録ポータブルデッキ
1976年 ナカミチ600シリーズアンプの開発 プリアンプ610 130000円 パワーアンプ620 150000円
1977年 1000がUになる。310000円 クリスタルフェライト/SR
700もUへ。210000円 クリスタルフェライト/SR
600もUへ。133000円
1000Uはプランジャーメカ。操作キーがタッチ式で異様に速い反応速度。ばしゃんばしゃんと軽快に動く。これはメンテナンス後、甥に売ってしまった。今はどうなっているのかなあ?
1978年 レシーバー 730 248000円
1978年 350 79000円 ポータブルカセットデッキ パーマロイ
250 59000円 350の再生専用機 パーマロイ
580 105800円 2ヘッドダブルキャプスタン機 スーパーヘッド
1979年 は、ある意味ナカミチにとって飛躍の年だった。新製品が目白押し。
中道研究所、中道マグネティックスを合併して「ナカミチ株式会社」となる。
1979年8月 480 79800円 2ヘッドセンダスト
1979年10月 481 99800円 3ヘッド クリスタロイ
1979年8月 580M 115000円 2ヘッド センダスト
1979年10月 482 119800円 3ヘッド
1979年3月 581 138000円 3ヘッド
1979年11月 660ZX 158000円 3ヘッド クリスタロイ 以下クリスタロイ
1979年3月 582 168000円 3ヘッド
1979年11月 670ZX 188000円 3ヘッド
1979年7月 680 218000円 3ヘッド
1979年11月 680ZX 238000円
このころのカタログを見ると胸がときめいてしまう。
581、582は昔の設計。
480,660,670,680は新規設計。
さまざまなアイディア、意匠がこめられていた。
1979年 ハイコムU 69800円
1980年 ナカミチ福島株式会社設立
ABLE オートバイアスレベルイコライザー。
RAMM 自動頭出し等のマイコン新技術採用。
1980年12月 700ZXL 450000円 3ヘッド クリスタロイ
1980年10月 1000ZXL 550000円 3ヘッド クリスタロイ
1981年 社長が会長になる。営業所 福岡、札幌、名古屋、福島開設。
1981年4月 480Z 99800円 2ヘッドセンダスト
1981年10月 LX-3 99800円 2ヘッドセンダスト
1981年4月 481Z 118000円 3ヘッド 以下3ヘッド クリスタロイ
1981年4月 482Z 138000円
1981年10月 LX-5 158000円
1981年4月 581Z 168000円
1981年4月 582Z 188000円
1981年10月 ZX-7 188000円
1981年5月 681ZX 198000円
1981年5月 682ZX 228000円
1981年2月 700ZXE 350000円
1981年8月 1000ZXL ltd 850000円
1981年11月 TX-1000 1100000円 センターサーチターンテーブル
1981年 ドルビーCプロセッサー NR100 29800円 NR200 59800円
飛ぶ鳥落とす勢いだ。定価のゼロの数もバブリー。
1982年11月 中道悦郎氏、ロスアンジェルスにて死去。 B&W801を輸入、販売。
1982年 DRAGON 278000円 3ヘッド NAAC ナカミチ自動アジマス調整機構
1982年 ZX-9 228000円 3ヘッド DDダブルキャプスタン。マニュアルキャリブレーション。
1982年 BX-1 59800円 2ヘッド ナカミチメカをやめ、三協精機メカ(センダストヘッド)を搭載したローコスト機
1982年 BX-2 79800円 ”
このBXシリーズが、ナカミチメカではなく、三協メカになった初めての機種。ナカミチメカは、物量投入型重厚長大ではありましたが、歩留まりが悪いという弱点がありました。それを、オルゴールなどで有名な三協精機とタイアップして、2ヘッド機は三協メカ用にセレクトした主にセンダスト系ヘッド、3ヘッド機はナカミチヘッド=主にクリスタロイ、という具合にグレード分けをしていきました。
1983年 カーオーディオ進出 MSS Mobile Sound System
1983年 TD-1200 248000円 NAAC搭載
1983年 PA300 68000円 SP-400 78000円
1983年 DRAGON CT 400000円 センターサーチ式ターンテーブル
1983年 RX202 三協メカ2ヘッド センダスト RXはオートリバース機。アジマスずれを回避するため、仰天のカセットハーフをひっくり返すメカを作ってしまいました。
RX-303 158000円 3ヘッドだが、センダスト
RX-505 188000円 ナカミチメカ3ヘッドクリスタロイ
1983年 BX-150 89800円 三協精機2ヘッドセンダスト
1984年 スレッショルドアンプ輸入販売。
1984年8月 OMS1000 光磁気ディスク評価装置 1000万円?
1984年 OMS-7 268000円 CDプレーヤー 京セラのOEM 音は悪かった。
1984年 OMS-5 168000円 ”
1984年 ZX-5 (BX-300) 128000円 三協メカ 3ヘッド クリスタロイ
1984年 TD-700 MSS 173000円 世界初 カーオーディオでクローズドループダブルキャプスタン採用。これはTD1200も採用していなかったすぐれ技。
1985年
1985年 BX-125 69800円 三協メカ 2ヘッド センダスト
1986年 CR7 238000円 三協メカ3ヘッドクリスタロイ
1986年 PA-70 360000円 200Wアンプ スレッショルドのステイシス回路技術を技術交流の上でそのまま採用。
1986年 PA-50 220000円
1986年 CA-70 400000円 プリアンプ アルミ押し出し材をメインシャーシに。アルミパネルを外装に多用した。
1986年 CA-50 150000円
1986年 ST-70 138000円 ショッツNRといって、FMの高域ノイズをうまく消す手法搭載。
1986年 OMS50U 208000円 CDプレーヤー 相変わらず音は悪かった。
1986年 OMS70U 288000円 ”
SP7 ヘッドフォンも出していた。システム7シリーズで、SP7.
1987年 CR4 138000円 三協メカ3ヘッド クリスタロイ DD
1987年 CR3 108000円 三協メカ3ヘッド クリスタロイ ベルトドライブ
1987年 CR2 78000円 三協メカ2ヘッド センダスト
1987年 SR40 148000円 レシーバー
1987年 CA-50U 200000円 CA50にトーンコントロールがついた。外装にアルミパネルを多用した。
1988年 DAT発売
1988年 MR-1 業務用3ヘッドデッキ BX300の発展型
1988年 PA70CE 440000円 PA70のマイナーチェンジ。主に筐体の見直しが中心。回路はほぼ同じ。
1988年 PA50CE 260000円 PA50のマイナーチェンジ。
1988年 SR30 128000円
SR20 85000円 レシーバー
SR40 基板は国産だったが、こちらは台湾製。
1988年 OMS20 70000円 どこかのOEM。
1988年 DAT 1000 650000円 44.1Khzも録音できるPROバージョンもあり。
1988年 プロセッサー 1000P 550000円
1989年 CDC101 80000円 MSS CD チェンジャー
DAC101 65000円 MSS用のDAコンバーター
1990年 1000mb 550000円
1990年 TD1200SE 308000円 MSS NAAC搭載。外装のみ変更。
1990年 カセットデッキ1 99800円 3ヘッド クリスタロイ マニュアルアジマス調整ノブ付き
1990年 カセットデッキ2 59800円 2ヘッド センダスト
1990年 CDP2 99800円 ミュージックバンクシステム 6枚チェンジャー
1990年 CDP3 79800円
1990年 CDP4 シングルCDプレーヤー
1990年 AMP1 99800円 インテグレーテッドアンプ ハーモニックタイムアライメント搭載
1990年 AMP2 68800円 ”
1990年 レシーバー1 139800円
レシーバー2 99800円
レシーバー3 69800円 台湾製
1991年 1000P用DACボード DA-111P 170000円
1991年 カセットデッキ1.5 79800円 3ヘッド
1991年 前年発売のアンプチューナーCDPなどのシルバーバージョン
AMP1S、チューナー2S、CDP2S、カセットデッキ1.5S 値段は同じ。
1991年 車載用高級チェンジャー ナカミチ100CDC/I 360000円 100CDC 300000円
1991年 CDP1 250000円 CDP2に高級DACを搭載。外装に鉄板、アルミパネルを貼り付けた、バージョンアップ機。
1991年 1000mbi 700000円 1000MBに、CDP1に搭載したものと同じDAC基板を装着。アナログアウト出来るようにしたもの。DACのみで15万円とは、、、
1991年 サウンドスペース7 350000円 CDPメカとレシーバーを合体。
クロックラジオ 50000円 これにいたっては???誰が買うんじゃ?
1991年 DRAGONCD 車載用の100MB(150000円)100DAC(150000円)にサイドパネルを取り付けホームユースにしたもの。
1992年 IA-1 99800円
IA-2 69800円 中身はAMP1、AMP2と同じ。フロントパネルのみ変更。
CDROM driveなども製造。例 CDROMチェンジャーMJ4.4 価格不明
この後1993年8月、ナカミチ福島工場閉鎖となる。
1994年 オートバックスブランド販路で、チェンジャー発売 MB-7 (47800円)
新型チェンジャーメカを使用したCDプレーヤー発売
MB-4S 39800円 16ビット4倍
MB-3S 49800円 18ビット8倍オーバーサンプリングDAC
IA-4S 34800円 プリメインアンプ 30W+30W 終段シングルプッシュプル 5.7kg
1995年 DR-1 115000円 カセットデッキ1のパネルのみ変更。中身は同じ。
勝手にリンク
ホームページのトップページからアクセスできないみたいなんだけど、検索エンジンで引っかかってきたURL。カタログのスキャンもので美しいです。いつまでリンクできるかわかりません。
ナカミチ productdatabase inuさんのページ
また、ナカミチOBの方のページも参考になります。リンクのページから行ってみてください。
1998年9月 中道 仁郎氏。新会社メカニカルリサーチをスタート。現在は株式会社niro1.com となっているそうだ。
2000年
ナカミチ、3Dステレオメモリーオーディオプレーヤーを発売
2000年10月4日
http://ascii24.com/news/i/hard/article/2000/10/04/618606-000.html
2002年 DVD15 139000円 売価39800円 DVDチェンジャー
1992年から2002年にかけてナカミチは活動を続けていたらしい。
サウンドスペースシリーズ
CDチェンジャー 業務用シリーズ
DVDチェンジャーなど、他社OEMも含めて製品は供給していたようだ。
MSS(カーステレオ)は海外製、一部日本製もあったようだ。
いずれも開発、製造とも香港、台湾系で行っていたようだ。
上記の中道仁郎氏は先代社長の実弟。技術者であった。
また、下記の小林耕三氏も古くからのナカミチの技術者である。
DATを開発したときは、小林氏のほか、成沢技師などそうそうたるメンバーで技術開発を行った。
中道仁郎氏は、技術者であるが、経営者たり得なかった。カセットデッキの開発では、技術の冴えを見せていたのであろうが、会社経営としては、ブランドイメージに頼ったローコスト大量販売に傾斜してしまい、マニア層に訴求する製品を作りつづけられなかったのが、この失敗の歴史なのだろう。
2003年
ナカミチ、同社初のMP3/WMA対応カー用CDレシーバ−小林耕三氏の思想を踏襲したリファレンスモデル を発表。
リンクが消えてしまいました。
○新聞報道から
2002年2月19日 ナカミチ、民事再生手続きを申請、負債総額200億円
音響機器販売・製造の老舗として知られる、ナカミチ(東京証券取引所2部上場)は2月19日、東京地方裁判所に、民事再生手続きの開始を申し立てた。負債総額は約200億円。同社は、コンピュータ周辺機器など情報関連機器分野にも参入していたが、競争激化で、経営不振に陥り、97年から、香港のグランデ・グループの傘下に入り、経営再建中だった。
同社は58年に設立、音響機器メーカーとして事業を展開してきたが、音響機器市場の市況悪化、価格競争などの影響を受け、94年頃から、情報関連機器事業を拡大させる経営施策を打ち出し、米国のコンピュータ周辺機器開発企業を買収するなど、この分野での積極展開を図り、売上げ規模は一時成長したが、激しい価格競争などの煽りを受け、これらの事業は採算が悪化した。
結局同社は、情報関連機器事業を縮小、本来の音響関連製品への回帰を指向したが、情報機器から音響機器への開発移行に手間取り、新規製品販売の売上げへの寄与が遅れたこと、また、内外の不況の影響により経営状況は大きく打撃を受けた。
2008年5月 ナカミチの終焉
メーカーホームページより
重要なお知らせ
ナカミチ販売株式会社は、諸般の事情により2008年5月31日をもってナカミチブランド製品の日本国内での販売を終了することといたしました。
お客さまには多大なるご心配とご迷惑をおかけいたしますことを深くお詫び申しあげます。
なお、2008年6月1日以降もナカミチ販売株式会社は存続し、アフターサービス業務をこれまで通り実施させていただきます。
アフターサービスに関する詳細は、トップページのアフターサービスリンクをご参照ください。
また、弊社からの販売終了以降も一部特約店様においてしばらくの間、在庫商品の販売が継続されますことをご案内申しあげます。
したがいまして、これまでにご購入いただきました製品や今後特約店様から購入される製品について、どうかご安心の上ご愛用くださいますようお願い申しあげます。
2008年5月
ナカミチ販売株式会社
合掌
20090720
おやぢ事務所移転のため、事務所に配置してあったナカミチ博物館は閉鎖しました。
カセットに録音するものがなくなったのが最大の要因です。再生は、まだ出来ますが、録音するソースもない、メタルテープも売っていない。カセットテープを保管しておく場所がなくなった、という非常に厳しい世の中です。
20150510
2010年に、ナカミチ、山水のサービスを、IDKという会社に譲渡したらしい。
IDKコーポレーション クリックするとサイトに飛びます。茨城県にあるようです。
2014年には、ナカミチの商標を廃止したはずだが、ネット(WIKI)にはその辺が載っていない。
2017年 日本国内から、ナカミチという販売会社、修理サービス、物流会社がなくなりました。
中道 仁朗氏は、どこから製品開発をしているようですが、不明です。マトリックスサラウンドのシステム、アンプを発表していた気がしますが、それほど話題になっていなかったはずです。
2017年でも、レンタルCD店に、ナカミチのチェンジャー試聴機が残っている店もあります。業務用で使えるくらいメカの信頼性が高ければ、もう少し生き残れたのかもしれません。
カセットテープというメディアが固体素子(フラッシュメモリー)に入れ替わって、デジタル変換=圧縮、LPCM、いまやハイレゾ、いずれにせよDACが介在するその部分や、ダイレクトドライブメカ機構、薄膜多層ヘッドの技術など他に生かせる製品づくりをしていれば、さらに長生きしていたかもしれません。
テープヒスを取り除くのに、ドルビーNRをはじめ、あらゆるノイズの除去を研究したように、現在のデジタルオーディオで、音が悪い第一の原因のジッター(時間軸のゆらぎ)の除去を突き詰めていき、良い製品を作り上げていくことができた(であろう)会社でありました。
過去の栄光を記録するために、このページを中道悦郎氏にささげます。
世界でも類を見ない、記録して残す、というオーディオの楽しみを日本に広げてくれたナカミチに感謝します。